極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
私の右手を取り、彼が持ち上げる。
あ、とか思っているうちにその唇が指先に触れた。

「これは契約違反か?」

「……庇ってくれたのは嬉しかったので、セーフとします」

「上等」

ニヤリ、と彼が片頬を歪めて笑う。
なぜかその顔に、ぽっと頬が熱くなった。



古渡さんとの生活は、夫婦同伴のパーティなんかを除けば楽勝……とか思っていたものの。

「……はぁーっ」

朝、目を開けた瞬間、ため息が出る。
隣で眠っている古渡さんを見て。

「だから、私室には勝手に入るなとあれほど……」

偽装結婚なので、寝室はもちろん別だ。
なのに毎朝、起きたら隣に古渡さんが寝ている。
夜は確かに、ひとりで寝たのに。
私が眠っている間に潜り込んでくる。

「寝顔は可愛いんだよね……」

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