彼が冷たかった理由。
「もう僕から、お前の手を離さないから。
......まだ、好きでいてほしい」

優愛の手を取る。
白くて細くて、スラッとした指が美しい。

僕の彼女は、とても綺麗な人だから。
僕にに似合わないくらい綺麗だから。

だから、彼女は美しいのだ。

「距離をとるなんて、僕には無理だ。
お前がほかの男を見る度に嫉妬をする。」

彼女はやっと顔を上げて、僕を見てくれた。

「やきもちを焼くし、独占欲強いし、気づけば束縛してしまうかもしれないほどに好きだ」

そっと頬に手を伸ばした。

「これからは言葉に気をつける。
...もう一度だけチャンスが欲しい」

「......遠回りしすぎ、ばーか」

彼女が笑ってくれる。
ドキンッ、とたしかに鼓動が高鳴った。
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