大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「津田さん。女は男以上に頑張らないと、〝だから女は〟とすぐにほざく輩がいるの。気合入れてね」

「松尾さん、いきなり厳しいですって」


高山さんがこぼしているが私はうなずいた。


「もちろん頑張ります」

「そろばんは使えるのね? 早速だけど、これが正しいかどうか検算してもらえる?」

「承知しました」


私は渡された書類の束の計算を黙々と始めた。



「津田さん。……津田さん?」
「はっ、申し訳ありません。お呼びになりましたか?」


高山さんに声をかけられてハッと手を止める。


「よかった」
「なにが、でしょう?」
「もう二時間も没頭してるから心配になったんだよ。それにしても、すごいね」


彼は私の机の上の書類を手に取り、なぜか感心している。


「驚いたわ。こんなに早いとは。この間違い、高山さんの書類ばかりね」


松尾さんが口を挟むと、高山さんが苦笑いして頭をかいた。


< 168 / 338 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop