大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「敏正さま、きっとお喜びになりますよ。なんていったって、郁子さまがお選びになったんですもの」


えっ、そこを?

驚いたものの、そうだといいなという気持ちが胸に広がった。


敏正さんがなかなか帰ってこなかったので、春江さんには大福を持たせて、先に帰宅してもらった。

結局、敏正さんが帰ってきたのは、二十一時を過ぎていた。


「遅くなってすまない」
「いえ、お忙しかったんですね」


彼から背広を受け取りながら尋ねる。


「三谷商店の今後の話し合いが長引いてね」
「三谷の?」


私が目を丸くすると「腹が減った。今日はなんだ?」と鼻を利かせている。


「豆腐田楽とお魚の塩焼きです。下ごしらえは済んでいますので、すぐにお仕度を」

「うん。着替えは自分でするから、料理を頼む」


二階に上がっていく彼と別れて、私は炊事場に向かった。

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