大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
酔いが回ってきたのかしら。


「郁子」
「はい」
「危ない!」


敏正さんに呼ばれて振り向いた瞬間、大きく体が傾き転びそうになった。
しかし、間一髪のところで支えられ、事なきを得る。


「足取りがおかしいと思ったら、酔ったのか?」
「わかりません」


なんだか少し頭もボーッとしてきた。


「飲ませすぎたか? あれは甘いが少し強いのだ」
「そう、でしたか……」


相槌を打ってはいるものの、頭の回転が鈍っているように感じる。


「こんな状態で風呂に入るのは危ないな」
「それでは私はやめておきます」
「いや、俺が入れてやる」


今、なんとおっしゃったの?

思考能力が落ちてきたのだろうか。『入れてやる』と聞こえたような。


「敏正さん?」


しかし、彼が私の帯をほどき始めたので慌てる。
抵抗したいのに、うまく力が入らない。


「一緒に入ろう」
「いえっ。ちょっ……あっ」

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