大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
ただ、女性だからという理由で馬鹿にされないようにと必死に働いてきた人なので、厳しいだけだ。


そんな彼女も、以前話していた男性と結婚してから随分丸くなったと高山さんがこそこそ話していたが、私もそう思う。

笑顔が増えたのだ。


「さ、仕事しましょ。高山さん、その売上伝票の山、なんとかしてね」


松尾さんがにっこり微笑むと、「りょ、了解しました」と高山さんが恐縮した。

その日、私が手にした経費の一覧には、三谷関係のものも多数あり、五千圓どころかとんでもない額が動いているのを知った。

無論、敏正さんが三谷商店の再興のために私との結婚を利用するほど肩入れしているのは知っている。自分の力を試したいという気持ちも強いはずだ。

いくら敏正さんを信じているといっても、三谷家の人間としては、あまりに壮大な計画にハラハラせずにはいられない。

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