大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
まさか、春江さんが政略結婚と知りながら、ずっと見守ってくれていたとは知らなかった。


「でも今朝、郁子さまを泣かせてばかりでどうしたらいいのかわからないと、敏正さまが頭を抱えていらして。あれほど笑顔が増えていたのにどうしたことだろうと思ったら、仕事上の事情だとピンときました。それで、泣かせてしまわれたのなら、謝罪して夫として抱きしめてあげてくださいとお伝えしたのです」

「春江さん……」

「でも、まだできないとおっしゃるので、郁子さまより優先すべきことなんてこの世にはありませんと、図々しくも申し上げてしまいました。……暇をいただくかもしれません」

「嫌よ。そんなの嫌」


私は彼女に近寄り、首を激しく横に振って拒否を示す。


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