大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「敏正さんは、間違っていることをしたら正してくれると春江さんを評価されていたのでしょう? だからたくさんの女中の中から、春江さんを指名してここに連れてこられたのでしょう?」
「ですが……」
「春江さん、ありがとう」
なにをどう言ったらいいのかわからない。
ただ、私のために解雇覚悟で意見してくれた彼女にお礼を伝えて、胸に飛び込み涙を流す。
すると、春江さんはしっかり抱きとめ、私の背中をトントンと叩く。
お母さまが生きていたら、こうして慰めてくれたのかもしれないと思えるような優しい時間だった。
「郁子さま。敏正さまは、仕事では時に冷酷になられます。でも、本当は温かいお方。今朝の動揺ぶり、もし郁子さまを傷つけたとしても、決して本意ではなかったのではないかと思うのです」
本意ではなかった?
たしかに彼は、昨晩『今はまだなにも言えない』と苦しげに吐き出した。
「ですが……」
「春江さん、ありがとう」
なにをどう言ったらいいのかわからない。
ただ、私のために解雇覚悟で意見してくれた彼女にお礼を伝えて、胸に飛び込み涙を流す。
すると、春江さんはしっかり抱きとめ、私の背中をトントンと叩く。
お母さまが生きていたら、こうして慰めてくれたのかもしれないと思えるような優しい時間だった。
「郁子さま。敏正さまは、仕事では時に冷酷になられます。でも、本当は温かいお方。今朝の動揺ぶり、もし郁子さまを傷つけたとしても、決して本意ではなかったのではないかと思うのです」
本意ではなかった?
たしかに彼は、昨晩『今はまだなにも言えない』と苦しげに吐き出した。