大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
なにかあるのは間違いないが、彼も苦しんでいるのだ。
「そう、よね」
私は彼女から離れて涙を拭いた。
「春江さん。私……敏正さんがとても大切なの」
「はい」
「自分の目で、彼がなにをしようとしているのか確かめます」
おそらく、落成式でなにかがある。
父も姿を見せるはずだし、敏正さんは『明日まで待ってくれ』とはっきり言った。
「承知しました」
彼女の微笑みは、賛成と同意のはず。
「ここで待っていてくれますか? 私と敏正さんを」
「郁子さま……。かしこまりました」
春江さんが出ていってしまう気がしてそう言うと、みるみる瞳を潤ませた彼女は、大きくうなずいてから深く頭を下げた。
それから私は家を飛び出した。
電車に乗り、丸の内を目指す。
式典は九時から、丸の内三谷ビルヂングで関係者を集めて行われると聞いている。
「間に合って……」
「そう、よね」
私は彼女から離れて涙を拭いた。
「春江さん。私……敏正さんがとても大切なの」
「はい」
「自分の目で、彼がなにをしようとしているのか確かめます」
おそらく、落成式でなにかがある。
父も姿を見せるはずだし、敏正さんは『明日まで待ってくれ』とはっきり言った。
「承知しました」
彼女の微笑みは、賛成と同意のはず。
「ここで待っていてくれますか? 私と敏正さんを」
「郁子さま……。かしこまりました」
春江さんが出ていってしまう気がしてそう言うと、みるみる瞳を潤ませた彼女は、大きくうなずいてから深く頭を下げた。
それから私は家を飛び出した。
電車に乗り、丸の内を目指す。
式典は九時から、丸の内三谷ビルヂングで関係者を集めて行われると聞いている。
「間に合って……」