大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「いえ。最高の旦那さまです。父がご迷惑ばかりおかけしているのに、まだおそばに置いていただけるのかどうか……」


複雑な感情を吐露すると、不意に抱き寄せられて目を見開く。


「当然だろう? 郁子は生涯でただひとり、真剣に愛した女なんだ。そばにいてくれないと困るのは俺のほうだよ」


私は敏正さんの言葉がうれしくて、彼の背広をギュッとつかむ。


「郁子。泣かせてごめん。でも俺……お前を守るためならなんでもするつもりだ。たとえこの命をかけたとしても」


彼の本気が伝わってきて、鼻の奥がツーンとしてくる。


「嫌です。命なんてかけないで。私は敏正さんとずっと一緒に生きていきたいんです」


想いをぶつけると、彼は腕の力を緩めて私の顔を覗き込んでくる。

そして涙があふれそうになっている私の目をしっかり見つめて口を開いた。


「ありがとう。愛しているよ、郁子」


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