大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
彼は部屋に入り障子を閉めると、私を切なげな目で見つめる。


「郁子。昨日は――」

「もう謝らないでください。敏正さんが私の、ううん三谷家のために骨を折ってくださったのは十分にわかりましたから。私が感謝しなければなりません」


なにせ彼は、泰子や貫一まで引き受けると言い放ったくらいなのだから、本気で三谷家の心配をしてくれているはずだ。


「そうだね。郁子とは笑顔で過ごしたい」
「はい」


彼は窓際に行き窓を開けたあと、私を手招きした。


「こっちの方向に三谷商事がある。明日、本当の落成式典を行うが、そこで体制の発表もしなければならない」

「はい」

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