大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
大げさに肩を落とした彼は、私にもう一度深い口づけを落としてからようやく離れ、クスクス笑う。
「もう、春江さんに叱られます!」
「それはまずい。郁子の次に怖いんだ」
敏正さんがおどけた調子で言うので、噴き出した。
三谷商事が新たな歴史を刻み始めて約半年。
暑さも一段落すると、庭のハナミズキが赤い実をつけだした。
三谷商事は、一ノ瀬さんに社長に就任してもらった。
父は警察沙汰になってようやく目が覚めたようで、敏正さんの丁寧な説明に、「すべてお任せします」と首を垂れたのだ。
そして、我が家を訪ねてきて、「高慢な気持ちがどこかにあった。敏正くんに馬鹿にされていると勘違いして、また郁子を苦しめてすまない」といきなり土下座をした。
私はその姿に驚いたものの、心底安堵した。
ようやく父がくだらない自尊心を捨て去ってくれたと感じたからだ。
「もう、春江さんに叱られます!」
「それはまずい。郁子の次に怖いんだ」
敏正さんがおどけた調子で言うので、噴き出した。
三谷商事が新たな歴史を刻み始めて約半年。
暑さも一段落すると、庭のハナミズキが赤い実をつけだした。
三谷商事は、一ノ瀬さんに社長に就任してもらった。
父は警察沙汰になってようやく目が覚めたようで、敏正さんの丁寧な説明に、「すべてお任せします」と首を垂れたのだ。
そして、我が家を訪ねてきて、「高慢な気持ちがどこかにあった。敏正くんに馬鹿にされていると勘違いして、また郁子を苦しめてすまない」といきなり土下座をした。
私はその姿に驚いたものの、心底安堵した。
ようやく父がくだらない自尊心を捨て去ってくれたと感じたからだ。