大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
髪をラヂオ巻きに整えたハイカラな雰囲気の女性が振り返った瞬間、私は目を見開いた。
「あっ。菊――たみさん?」
彼女が吉原で出会った、菊乃さんこと、たみさんだったからだ。
「お久しぶりです」
すっかり廓言葉が抜けている彼女もまた私と同様に驚いた様子で、深々と頭を下げる。
「ここの江戸味噌がうまいと聞いてね。いただけるかい?」
「ありがとうございます。最近は仙台味噌が多いですからね。江戸味噌は米麹をたっぷり使っているので甘めで私は大好きなんですよ」
敏正さんが話しかけると、彼女は笑顔で答える。
顔色もよく、元気そうでよかった。
「ご用意しますね」
彼女がきびきびと働く姿に白い歯がこぼれる。
敏正さんと一緒に吉原に赴いたあの日。仲を引き裂かれたふたりの幸せは本当にあるのだろうかと胸が痛くなったが、彼女は今幸せそうに見えた。
「あっ。菊――たみさん?」
彼女が吉原で出会った、菊乃さんこと、たみさんだったからだ。
「お久しぶりです」
すっかり廓言葉が抜けている彼女もまた私と同様に驚いた様子で、深々と頭を下げる。
「ここの江戸味噌がうまいと聞いてね。いただけるかい?」
「ありがとうございます。最近は仙台味噌が多いですからね。江戸味噌は米麹をたっぷり使っているので甘めで私は大好きなんですよ」
敏正さんが話しかけると、彼女は笑顔で答える。
顔色もよく、元気そうでよかった。
「ご用意しますね」
彼女がきびきびと働く姿に白い歯がこぼれる。
敏正さんと一緒に吉原に赴いたあの日。仲を引き裂かれたふたりの幸せは本当にあるのだろうかと胸が痛くなったが、彼女は今幸せそうに見えた。