大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「お医者さまもよかったですのに。きっと少し休めば元気になりますわ」


笑顔を作ったものの、胃のあたりのむかつきは収まる気配がない。


そういえば、数日前から少し体がだるいかも。
風邪をひいているのかしら。

そう思ったけれど、敏正さんが心配しそうなので黙っておいた。


お医者さまが往診してくれたのは、それから三十分ほどあとだった。


「微熱もありますね。これは……。月のものは来ていらっしゃいますか?」
「……そういえば、遅れています」


そう答えた瞬間、お医者さまは口の端を緩める。

まさか……。


「ご懐妊ですね」
「本当ですか!?」


診察の間、廊下で待機していてくれた敏正さんにも声が届いたようで、私より先に興奮気味に叫んでいる。


「旦那さま、お入りください」


障子が開いたその先には、目を真ん丸にした敏正さんの姿があった。


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