大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「おめでとうございます。ご懐妊です。しばらくは流れやすいですから、無理をなさらないでくださいね」

「あ、ああありがとうございます!」


敏正さんはお医者さまの手を握り、深々と頭を下げる。

大げさなまでに喜んでいる様子を見て、私も感動のあまり瞳が潤んできた。

その後、お医者さまを見送りに出た敏正さんは、戻ってくると私に温かな眼差しを送り泣きそうな顔をする。


「郁子。ありがとう」
「こちらこそです。私……敏正さんに嫁げて幸せ――」


それ以上言えなかったのは、彼の唇が私のそれに重なったからだ。


「これからもっともっと大切にする。郁子も、この子も」


とても過保護な私の旦那さまは、私のお腹にそっと手を置き、優しく微笑んだ。



赤い実をたわわに実らせているハナミズキが、窓から見える。

このハナミズキの木は、暑い日も寒い日も、私たちの希望に満ちあふれた未来をずっと見守ってくれるだろう。


「大好きです、敏正さん」
「俺もだ。愛しているよ、郁子」


敏正さんは私の頬に優しく触れて、まぶしいほどの笑顔を見せた。



 完
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