大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「正直言って、予想以上に結婚が早まったのには驚きましたが、郁子さんなら申し分ない。なにせ、郁子さんがここに来られてからの敏正さんは随分機嫌がいいですからね」
「機嫌が?」
一橋さんは顔をほころばせて楽しそうだ。
「はい。いつも難しい顔をしていて、周りの者を寄せつけないようなところがあったんです。それが社長の若かりし頃とそっくりだと一ノ瀬さんが話していたんですけど、ここ最近は表情が柔らかいんですよ」
「そう、でしたか」
私はその気難しい敏正さんを知らないので、妙な気持ちだ。
「あれだけの整った容姿をお持ちで、なおかつ津田紡績の跡取りという地位まであって、しかもすこぶる優秀な方ですから、何度か将来の嫁にという申し出はありましたが見向きもしなかったのに。郁子さんとよほど気が合うのではないかと」
「気が……?」
「機嫌が?」
一橋さんは顔をほころばせて楽しそうだ。
「はい。いつも難しい顔をしていて、周りの者を寄せつけないようなところがあったんです。それが社長の若かりし頃とそっくりだと一ノ瀬さんが話していたんですけど、ここ最近は表情が柔らかいんですよ」
「そう、でしたか」
私はその気難しい敏正さんを知らないので、妙な気持ちだ。
「あれだけの整った容姿をお持ちで、なおかつ津田紡績の跡取りという地位まであって、しかもすこぶる優秀な方ですから、何度か将来の嫁にという申し出はありましたが見向きもしなかったのに。郁子さんとよほど気が合うのではないかと」
「気が……?」