大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
差し出された手を握ると強く握り返され、少し驚いた。



結婚を承諾すると、あれよという間に状況が動き始めた。

春江さんは私たちの結婚に大賛成してくれて、『ずっとここにいてくださるんですね』と涙目で言うものだから、私まで瞳を潤ませるほどだった。

ただのお荷物だと恐縮していたのに、それほど歓迎されるとは。


翌日、昼食が終わり部屋の掃除にいそしんでいると一橋さんがやってきた。
客間にお通ししてお茶を出すと、彼は正座をして頭を下げる。


「郁子さん。この度はご婚約おめでとうございます」


改めて祝福を受けると、敏正さんとの結婚が現実なのだと思わされて緊張が走った。

考えれば考えるほど不安が出てくるのだ。


「い、いえっ。本当に私でいいのか……。敏正さんの人生を狂わせていないか心配で」

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