Dear boy,Dear girl~ワケあり男子と秘密の同居生活~
「やっぱバレてたか。華菜には。」

「うん。」

「ゆっくりでいいって。隆哉が言ってた。」

「え?」

一瞬、なんとなく空気がとまったように見えて、それで直登はつづけた。

「そっか。今試合ないもんな。」

「だから、焦らないでじっくりやってね。怪我したら大変だし。」

「うん。大丈夫。」

そのままなんとなく直登とわたしはだまって歩いていく。

やっぱ、言わないほうがよかったのかな…。

けど、隆哉とは何もないし、はっきり理由も言って断ったから、もう直登が何も気にすることなんてないのに…。

「あ、やべ。」

直登がスマホを見てつぶやいた。

「どうしたの?」

「俺、薬忘れちまったみたい。さくらが持ってきてくれるってさ。」

で、スマホ見たまま返事を返しながら、さりげなく言う。

「今回のことではほんとさくら様様だわ。病院も連れてってくれたし。」

さくらさまさま…。

何も言えない…

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