五年越しの、君にキス。
はっとして息を飲んだ私の拳を、伊祥が大きな手のひらで包み込む。
「五年前だって、俺の友達から聞いた話を真に受けて、離れていったんでしょ?梨良がいなくなってしばらく経った頃に、そいつが梨良に余計なこと吹き込んだって聞かされたときは、マジでぶん殴ろうかと思ったよね」
ふっと口元を歪めた伊祥の目が座っていて怖い。
私が伊祥から離れた理由は、再会したときにはもうバレていた……
だから、お見合いを推し進めてきたときの伊祥はあんなにも強気だったのか。
私の気持ちは最初からずっと見透かされていた。
伊祥が私の拳を包む手のひらに、ぎゅっと力を込める。
「どうして梨良を選んだのかって聞いたよね?そんなの決まってるじゃん。五年前も、今も、俺がそばにいてほしいって思うのは梨良だけだから。初めから、他の選択肢なんてあり得ない」
伊祥のはっきりとした強い言葉に、左胸の奥がぎゅっと痛くなる。