五年越しの、君にキス。

「元々、七割以上の勝算があると思って梨良との婚約を勧めてきたんだけど。そろそろ本気でいこっかな」

伊祥の瞳が妖しく揺れる。

ゾクリとして身を引くよりも一瞬早く、伊祥が私の唇を塞いだ。

「今度一緒に寝るときは、この続きね」

唇を離しながらささやかれた伊祥の甘い言葉に、今度は私が熱でも出してしまいそうな気がした。


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