ワンルーム・ビターキス
「…はい?」




“ 拾ってやろうか ”


この教師はたしかに私にそう言った。




「俺の家に来い。安心しろガキには興味ねえし欲情しねえから」





私は生徒。

楠木さんは仮にも教師。




合コンで出会って、お互いを知らなかったとはいえ、この関係は揺るがない。




「条件はもちろん山ほどある。でも教師として生徒の野宿を見過ごす訳にも行かない。
それに、俺はお前をただの生徒だとは思ってない」




どういう意味だろうか。


たぶん教師と生徒の関係になる前に、友達になったからということだろう。



そのセリフ、私の脳内がお花畑だったら勘違いしてましたよ?なんて。



「…バレたら、クビですよね?」


「どうにでもなんだろ。それに丁度家政婦が欲しいと思ってたとこなんだ」




楠木さんはニヤリと笑った。




…ずるい大人だ、まったく。


教師の顔じゃないその素顔、ずるい。




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