ワンルーム・ビターキス
「馬鹿。この時間にネカフェ探しますって言われてはいそうですかって言えるわけないだろ。そもそもその格好じゃ出歩いたら補導されるぞ」




スコーンと頭にチョップを食らい、楠木さんを睨むと呆れたように私を睨んでいた。




「…生徒に手上げた。体罰」


「お前がアホすぎるから教育の内だ」


「訴えられたら法廷でそう言うんですか?」


「うるさい。口答えすんな。とにかく行かせねえから」




外したシートベルトは再びガチャリと装着された。


無音の静寂が続くこと10秒。


ふと楠木さんの方を見ると、その切れ長の目と視線が絡んだ。






「──拾ってやろうか」







たぶん、これが私の人生を変えた一言。





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