Happy Musicland
たくさん海斗が歌うたびに、流花は泣きながら拍手を送ってくれる。海斗は胸がギュッと締め付けられ、流花の頭にそっと手を置いた。

「ごめんなさい……。海斗の歌声、心が締め付けられて……」

「いいよ。たくさん泣いて。失恋って辛いよね……」

流花の涙に耐えられなくなり、海斗は強く流花を抱き締める。すると流花は弱々しく海斗を抱きしめ返してくれた。流花の体からふわりと花の香りが漂う。先輩がフローラルな香りが好きだからと花の香りがするコロンを買っていた。

「この香り、僕も好きかも。流花にぴったりだ」

海斗がそう言うと、「本当?」と流花は海斗から離れて少し微笑む。そして「コロン、買ったの無駄にならなくてよかった」と言った。海斗は流花にマイクを渡す。

「ねえ、一緒に歌おう!流花がよかったらだけど……」

受け取ってくれるか海斗は内心ドキドキしていた。しかし、流花は「そうだね。だいぶスッキリしたから……」とマイクを受け取ってくれた。
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