ドキドキするだけの恋なんて

「二股っていうのは 両方 本命ってことでしょう?浮気は 本命がいて 別の人と 遊びで付き合うってことじゃない?」

芙由子の説明は 解りやすいけど。

「へぇ…二股は どっちも本命なんだ。」


「えーっ。そんな事って あり得る?気持ちって 絶対 どっちかに 傾くんじゃない?」

「でも 浮気ほど 片方が 強いわけじゃないよね?」


「そう?例えばさ。今の恋人と まだ別れてないうちに 次の人と 付き合う、とかが 二股じゃないの?気持ちは 完全に 新しい方が 強いの。」


「でも 浮気のつもりが 本気になっちゃって。結果的に 二股になるとかも あるよね?」

「じゃ やっぱり 気持ちは 片方が強いよね。」


3人の話しは テンポが速くて。

私は 黙って 頷きながら 聞いていた。


「ちょっと。あず美から 聞いてきたくせに。何 他人事みたいな顔 してるのよ。」

美香に 責められて 私は クスッと笑う。


「そんな事 聞きたかったわけ 話しなさいよ。あず美?」

さくらが 珍しく 強く言うから。

私は 少し 躊躇しながら 話し始めた。







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