ドキドキするだけの恋なんて

「エッ?上原さんと 付き合い始めたから?」

「はぁ?そうじゃないよ。やっぱり タケルは 全然 わかってないね。」


「どういう意味だよ?」


「あれから 4年も経つのよ。もう あの頃の 私じゃないから。」


「そんなの 俺だって 同じだよ。俺だって 4年前とは 違うし。」


「だから もう 取り戻せないのよ。4年は…」


「そんなこと ないよ。俺 大人になったし。もう あず美のこと 泣かせたりしないから。」


私は フッと笑って 首を振る。


「俺を 信じられないの?大丈夫だって。雅代とも 別れたし。もう あず美を 裏切らないから。」


「何で 今更 そんな事 言うの?」


「俺 あず美と別れて やっと あず美のこと 大事だって 気付いたんだ。」


「そんなの たまたま 合コンで 会ったからでしょう?」


「違うよ。ずっと あず美のこと 考えていたんだ。別れて すぐから…」


「だったら どうして すぐに 言ってくれなかったの?」



「それは… 俺も 意地があったし。別れようって 言ったの あず美だから。そのうち あず美から 連絡くると思って 待っていたんだ。」


「私と 別れた後 タケルには 雅代さんが いたからね。誰かと 一緒にいる時は 私のことなんて 思い出さなかったんだよね?」


「違うよ。俺は ずっと あず美のことを 思ってた… あず美を 忘れたことは なかった。」



「4年前に 言ってもらえたら… 今の言葉を。そうしたら 私 タケルと やり直せた。あの時 タケルが ちゃんと 私だけを 選んでくれたら… でも もう 遅いの。」







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