あなたの左手、 私の右手。
「おばあちゃん、おかえりなさい。」
ショートステイ先から帰宅するおばあちゃんを玄関で迎えるときにはやるべきことはすべて終えていた。

「・・・お邪魔しますね」
小さな声で言うおばあちゃんが私の横を歩いて通る。

「体調は落ち着いていますが食事が食べられなくて。」
職員からいろいろと引継ぎを受けて私はおばあちゃんを追って家に入った。

行方不明になったあの日以来、おばあちゃんは元気がない。
私のことを覚えていない日の方が多い。

食事も思うように食べてくれず、脱水にならないようにこまめに水分を進めたり、食事も一日に何度も小分けにして食べてもらえるようにしている。
おばあちゃんから教えてもらった料理を作って、おばあちゃんが少しでも食べてくれるようにいつも常備菜をお弁当にしてデイサービスにも持って行ってもらっていた。
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