子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「痛っ」

ここのところ、足の付け根付近が痛むことがよくあるんだけど、今のはその比じゃなかった。つったかも。
思わず壁に手をついた。

「大丈夫か?」

即座に柊也さんがやって来るも、私が手を当てている場所が足の付け根だったのを見て、ニヤリとした。

「紬ちゃん、足腰やられちゃった?」

誰のせいだ!!
おそらく、私以上の運動量だったはずのこの男は、疲れなんて微塵も感じさせない。それがますます私の苛立ちを煽ってくる。

「誰のせいだと思ってるのよ!!」

思わず発した声は、自分でも驚くぐらい大きくて、柊也さんも目を見開いた。

「ごめん、ごめんって。そんなに怒るなよ。ほら」

よいしょっと私を抱き上げると、そのままリビングに戻ってラグの上に横たえた。

「介抱ぐらいしますよ」

なんて言って、ブランケットと枕を用意してくれた。よっぽどさっきの私の様子が意外だったらしい。

「添い寝もいるか?」

〝いらない〟って言うはずのところなのに、頭を撫でている彼の手が心地良くて、思わず頷いていた。

「甘えん坊だな」

くすっと笑いながら隣に横たわると、ぐっと私を抱き寄せて、背中をトントンとしてくれた。

随分甘やかされてると思う。
決して、私が怒ったからではないのはもうわかっている。
柊也さんは、日常の中でよくこうして私を大切なもののように扱う。





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