子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
ようやく顔を上げられたのは、しばらく経ってからだった。

柊也さんに渡されたタオルで口元を拭うと、やっと落ち着いてきた。


今、私がこういう状態になった理由は、2人ともほぼ確信のある答えを持っている。


「できたってことか?」

ボソッと呟く柊也さんに、コクリと首を振った。

「たぶん。よく考えたら、生理も数日遅れてるし」

2、3日の遅れだったら、私としてはそんなに珍しいことじゃない。けれど、5日となると滅多にないこと。

ただ、直近の排卵日前後は偏頭痛がひどくて、数日間薬を飲んでいた。だから、予測通りじゃないかもしれないと、そこまで深刻に考えていなかったのが正直なところ。

「とりあえず、今日も明日も病院はやってないだろ。紬を一人にしても大丈夫そうなら、検査薬を買ってくるけど?」

彼の心配そうな顔に、申し訳なく感じてしまう。
迷惑をかけてしまうことに、何か後ろめたさを抱いてしまう。

おまけに、念のためと買っておいた検査薬2本のうち、1本はなんでもない時にお試しで使っていた。もう一本は、先月の生理が2日遅れた時に使ってしまっていた。もちろん、どちらも陰性だった。



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