子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「だから、それ。俺のおっぱいだろ」

わかりやすく不機嫌になった俺の手を、あいていた方の手で握ってくる紬。その顔は真っ赤だ。

「ちょっとだけ、我慢してね」

顔を真っ赤にして、小声でそんなこと言うとかずるいだろ……
この何もできない状態で煽るとか、タチが悪すぎる。




雅也が生まれて少ししてから、紬は少しずつ仕事をはじめた。完全に復帰するに向けて、雅也の授乳も、母乳だけだったところにミルクもあげるようになった。
やっと俺にも手伝えるようになったわけだけど、夜は未だに母乳のみ。

「明日から、寝る前の授乳は俺がミルクをやる」

「うん?どうして?」

「ミルクの方が寝付きがいいんだろ?」

「らしいね」

「俺、そろそろ無理。紬不足。抱きたい」

出産後しばらくは、もちろん控えていた。
医師からも紬からもOKが出て以来、ベッドで紬を独占できたのは数えるほどしかない。




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