死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆

リュウヤさんの絵を探しはじめて20分が経過していた。


5年前の美術部の絵を調べてみても、それらしいものは見つからない。


生徒たちが自分で持ち帰ったりもしているらしいから、もしかしたらここにはないのかもしれない。


なんせリュウヤさんは5年前に亡くなっているのだ。


形見として家族が持ち帰っていても不思議じゃなかった。


「ないね……」


そろそろ疲れてきたのか、玲子は重たい息を吐きだした。


「そうだね」


梓も一旦手を止める。


名前も年代もわかっているから、すぐに見つかると思っていたけれど、そう単純じゃなかったみたいだ。


「もう一度、リュウヤさんに会ってみるか」


そう提案したのは厚彦だった。


厚彦は疲れ知らずだけれど、それでもこれだけ探して見つからないことに、疑念を抱き始めているみたいだ。


梓は玲子に厚彦の提案を説明した。


「そうだね、それがいいかもしれない」


かくして、2人の1人の幽霊は再び倉庫へと向かうことになったのだった。
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