死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆
「2度も鍵を借りたから、さすがに怪しまれてたね」
倉庫内に入ってから玲子が呟いた。
職員室で鍵を借りた時の話だ。
「仕方ないよ」
梓はそう言って肩をすくめた。
本当はスペアキーでも作っておけば簡単だけど、あいにく学校にそんな設備はない。
鍵を校外へ持ち出したりしたら、それこそ大目玉だ。
ここは疑いを目を向けられようとも、素直にかりに行った方が賢い選択だった。
「リュウヤさん、少しでもいいから話を聞かせてください。あなたは美術部員だったんですよね?」
厚彦がそう聞くが、やはりリュウヤさんは返事をしてくれないみたいだ。
「仕方ない。梓、こっちへ」
厚彦に手まねきされ、梓はなんの疑いもなく隣りに立った。
「どうしたの?」
そう尋ねた次の瞬間、厚彦が梓の腕を掴んでいた。
咄嗟のことでなんの抵抗もできなかった。
「なにか原因なのか、見てきてくれ」
「へ?」
厚彦の言葉に間抜けな声を出した時だった。
指先に冷気が触れた。
(あ、まさか)
そう思ったのが、最後、強制的にリュウヤさんの追体験が始まっていた……。
「2度も鍵を借りたから、さすがに怪しまれてたね」
倉庫内に入ってから玲子が呟いた。
職員室で鍵を借りた時の話だ。
「仕方ないよ」
梓はそう言って肩をすくめた。
本当はスペアキーでも作っておけば簡単だけど、あいにく学校にそんな設備はない。
鍵を校外へ持ち出したりしたら、それこそ大目玉だ。
ここは疑いを目を向けられようとも、素直にかりに行った方が賢い選択だった。
「リュウヤさん、少しでもいいから話を聞かせてください。あなたは美術部員だったんですよね?」
厚彦がそう聞くが、やはりリュウヤさんは返事をしてくれないみたいだ。
「仕方ない。梓、こっちへ」
厚彦に手まねきされ、梓はなんの疑いもなく隣りに立った。
「どうしたの?」
そう尋ねた次の瞬間、厚彦が梓の腕を掴んでいた。
咄嗟のことでなんの抵抗もできなかった。
「なにか原因なのか、見てきてくれ」
「へ?」
厚彦の言葉に間抜けな声を出した時だった。
指先に冷気が触れた。
(あ、まさか)
そう思ったのが、最後、強制的にリュウヤさんの追体験が始まっていた……。