死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
厚彦もしぶしぶ諦めてカーテンを閉めようとした、その時だった。


突然強い風が吹き、窓がガタガタガタッ!!と音を立て揺れた。


大きな窓だからか、その揺れは地震が来たのかと見間違うようなものだった。


「うわ、びっくりした……」


梓が呟いたとき、厚彦が目を丸くして窓を見つめ、硬直していた。


(いや、確かに驚いたけれど、固まるほどじゃなくない?)


以外とビビリなのかもしれないと思ってニヤついていると、「動いた」と、厚彦が呟いた。


「え?」


「リュウヤさんが動いた!」


「えぇ!?」


梓は目を見開いて窓へ視線を向ける。


しかし、なにかが見えるわけでもない。


「なになに? なにか変化あり!?」


「リュウヤさんが動いたんだって!」


「嘘、今どこにいるの!?」


玲子の言葉には厚彦が返事をした。


「窓を押さえてる」


「え……?」


「両手で、必死に……」
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