死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
教室から出たところで、また別の男子生徒に声をかけられた。


「マミちゃん! 体調大丈夫? 移動教室まで行ける?」


「そのくらい平気だよ」


マミちゃんは笑顔で受け答えをしている。


その気持ちに悪意は感じられない。


ただ、男子たちが自分に優しいのは当然だという感情が伝わってきた。


高校に入学してから体を壊したマミちゃんからすれば、男子たちのこういう態度しか見てこなかったのが原因だった。


「あたし、トイレに行ってるから先に行ってて」


男子に荷物を持たせたまま、マミちゃんはトイレへ向かう。


洗面所の鏡で確認してみると、細くて色白で目がクリッと大きい美少女だ。


これなら男子たちがほっとくはずがなかった。


それでも、マミちゃんの態度は他の女子生徒たちを刺激するには十分だと言えた。


「ちょっと、調子のらないでよ」


案の定、トイレの個室から出てきた女子がマミちゃんに声をかけた。


茶髪にピアスを付けた派手な女子生徒で、胸のネームにはB組と書かれている。
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