死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
ユウコは4人の様子を興味なさそうに眺めてから「遅刻するよ?」と、マミちゃんに声をかけた。


「あ、本当だ!」


ユウコに言われ、マミちゃんは慌ててトイレからかけだした。


(今のって、もしかしてユウコがマミちゃんを助けたの?)


梓の頭は混乱していた。


イジメのリーダーはユウコじゃなかったのか。


ユウコはマミちゃんにレントを取られて、恨んでいるのではなかったのか。


マミちゃんが階段に差し掛かった時、突如視界が歪んだ。


強いメマイを感じて手すりに手を伸ばすけれど、掴む前に体のバランスが崩れていた。


(危ない!)


咄嗟に梓は叫んだ。


しかし、その声は当然届かない。


「危ない!」


梓と同時に叫んだ声があり、大きな手がマミちゃんの体を支えていた。
間一髪、階段からの落下を免れることができた。


そして視界に入ってきた人物は……レントだったのだった。
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