アオハルの続きは、大人のキスから
「椿、お前は落ち着きがない。少しは小鈴を見習え」
「うるさいわね、この小舅! アンタは覇気がなさすぎるのよ」
「冷静に物事を判断して言動には気をつけている。椿のようにうるさくはないだけだ」
「なんですってぇ!」
会えばこの通り、喧嘩ばかりの二人は同級生で尚且つ幼なじみだ。
幼稚園から大学まで一緒で腐れ縁だと二人は言い合っているが、小鈴からしてみたら羨ましいほど仲良しだと思う。
いつものように一通り言い合いが済んだあと、「小鈴にお願いがあって来た」と椿が話を切り出してきた。
「お願い?」
「うん。小鈴にしか頼めないお願いなの。聞いてくれる?」
「う、うん」
コクコクと何度か頷くと、すぐ傍にいた俊作が「そんなに簡単に承諾するな。相手は椿だぞ? とんでもないことを言い出すに違いない」と窘めてくる。
そんな彼を椿は睨みつけた。
「本当に失礼しちゃうわね、俊作は」
「本当のことだろう」
再び喧嘩勃発か、というタイミングで店の電話が鳴る。電話の相手は叔父で、俊作に用事があるという。
俊作に受話器を差し出すと、苦渋を浮かべた表情で受け取った。どうやら在庫の確認だったらしく、後ろ髪引かれるような様子で店の奥へと入っていく。
そんな彼の後ろ姿を見て、椿は腰に手を当てて深く息を吐いた。