アオハルの続きは、大人のキスから


「小鈴がお前の妻になるって……」

「ああ、そのことか。……そう、言葉の通りだ。小鈴は私の妻になり、私と一緒に呉服屋山野井を継ぐ」

「は……?」

 動揺している久遠に、俊作は冷たく言い放った。

「それは、彼女の叔父が認めているし、決定事項だ」 

 最悪だ。最悪な形で久遠にこのことがバレてしまった。彼には今回の縁談については伏せておきたかったのに……

 久遠の視線が痛い。痛すぎる。小鈴に向ける視線は、真偽を問うているように感じた。

「私……」

 久遠が好きだ。ずっとずっと一緒にいたいと思っている。彼に好きだと言ってもらえて嬉しかった。それは本心だ。

 だけど、本当に彼の傍にいてもいいのだろうか。その不安が込み上げてしまう。

 つい、先ほどまでは立場が違っても愛でカバーしたいと思っていた。

 だけど、実際問題そんなことだけで一生久遠の隣にいることができるのだろうか。未来が怖い。初めてそんなふうに思ってしまった。
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