箱崎桃にはヒミツがある



「あ、先生。
 こんにちは」

 月曜日、貢が昼休憩の時間に、いつか桃と行った書店に行くと、桃がいた。

 いや、正確にはベリーヒルズビレッジ内のショッピングモールをウロウロした結果、桃を見つけたのだ。

 いつも通りに、へらりと笑う桃に、なんとなくホッとする。

「昨日、来てくださったそうで、ありがとうございました」
と桃は深々と頭を下げてきた。

「……ビックリしたぞ」

 少し迷って貢はそう言った。

「誰かと思った。
 別人だな」

「な、なにかおかしかったですか?」
とビクビクしながら、桃は訊いてくるが。

 いや、どちらかと言うと、普段の言動の方がおかしいが。

 よく考えれば、桃はスタイル抜群の美女なので、普段から堂々としていれば、たぶん、あんな感じなのだ。
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