箱崎桃にはヒミツがある
 いよいよか、と顔面蒼白になりながら、桃は祈るような気持ちで言った。

「……全身麻酔で治療されたい気持ちです」

 ほう、と言った貢は、

「打ってやろうか。
 目覚めたとき、どうなっててもいいのなら」
と言ってきた。

 ひっ、と桃は息を呑む。

 尾藤は後ろで声に出して笑っていた。




< 7 / 139 >

この作品をシェア

pagetop