極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
彼はまだ昨日のシャツを着ていた。
「……おはようございます」
布団で胸元を隠しながら起き上がって挨拶を返すも、頭は依然として混乱していた。
目を大きく見開き優を凝視する私。
ドッドッドッと鼓動が大きくなって、心臓が胸から飛び出しそうだ。
どうして優と一緒に寝てたの?
私は裸で……でも彼は服を着ている。
昨夜彼と何かあったのだろうか?
彼と身体を重ねたなら何かしら覚えているはず。
でも、全然記憶がないんですけど〜。
自問自答する私を優は楽しげに眺めて言った。
「昨日何があったか知りたそうな顔してる」
図星を指されてギクッとする。
「あの……その……昨日焼肉屋で食べてからどうしてこうなったのか覚えていなくて……」
「梅酒飲んで梨乃はスヤスヤ寝てたからな」
フッと笑って昨夜のことを話す彼。
その説明を聞いてひどく落ち込んだ。
店で寝るなんて……とんだ失態。
多分、優たちに気を許してしまって、調子に乗って飲み過ぎたんだ。
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