極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
ここは第三者の意見を聞いてみるべきだろうか。
しかし、自分と優のことを朝井くんに話すのはちょっとマズい。
「あのね。私の大学時代の友達が、すっごい美形に告白されたらしいの。でも、その子は恋愛とかしたくないんだけど、気持ちがちょっと揺れてて困ってて……」
架空の友達のことにしたのだけれど、彼にはしっかりバレていた。
「なるほど。藤原さんは自分の気持ちに正直になった方がいいですよ」
あくまでもしらを切る私。
「だから、私じゃなくて友達の話なの」
「はい、わかってます。そのお友達には北條さんの胸にドーンと飛び込めと言ってください」
朝井くんのアドバイスに声を潜めて抗議した。
「だからね、朝井くん、違うってば」
「はいはい。全部わかってますって。人生一回しかないんですから、楽しんでください」
爽やかな笑顔で言われ、もう否定する気も失せた。
「でもね、どうして私なの?って疑問に思うの。だって、あっちは女なんてよりどりみどりなんだよ。何か夢でも見てるみたいで……。でも、私は恋愛とか結婚しちゃいけないんだよ」
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