極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
彼は自分の顔を見られてしまったからか、チッと舌打ちした。
佐藤課長がどうして私を襲うの?
目を大きく見開いて驚いていると、優と滝川さんが部屋に飛び込んで来た。
「梨乃!」
「佐藤課長、何やってるんですか!」
ふたりが佐藤課長の腕を掴んで私から引き剥がす。
助かったとはまだ感じなかった。
何が起こったかまだ理解できていなかったのだ。
まだ床に寝っ転がったままの私を優が抱き起こし、猿ぐつわを外した。
「大丈夫か?」
そう声をかけながら彼はスーツのジャケットを脱いで私にかけた。
それでようやく自分がひどい格好をしていることに気づいた。
ブラウスのボタンが取れて下着が見えている。おまけにストッキングも伝染していて……。
慌てて手でジャケットを押さえて胸元を隠すが、視界に課長のものらしきスマホが映った。
「写真撮られた……かも」
呆然とそう呟いて顔面蒼白になる私の肩を抱きながら、優がそのスマホを手に取った。
「佐藤課長、どういうことか説明してもらおうか?」
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