極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
海外企画部の社員のチャット画面を確認すると、梨乃の表示は消えていたが、他は五人くらい表示されていた。
梨乃のパソコンの電源がオフなのは、きっと残業を申請したくないからだ。
以前残業を手伝った時に彼女がそんな失言をしたものだから驚いた。
課長のパソコンは起動している。
みんなのパソコンの電源がオフになった時に何か起こるかもしれない。
怪しい足音が聞こえたのも、梨乃と俺しかいなかった時だ。
基本的に俺や滝川は夜は接待でいないことが多いからパソコンの電源もオフ状態。
佐藤課長は多分俺や滝川の予定を調べてオフィスにいない日を選び、梨乃に残業を頼む。
課長が何かしらの行動を起こすことは容易に想像できた。
社長室でノートパソコンを広げながら、社長に次の新車のキャンペーンの説明をしていたら、佐藤課長以外の部の社員のチャットの表示が全員オフになった。
『社長、すみません。ちょっと席を外します。理由は後ほど説明します』
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