極上御曹司に初めてを捧ぐ～今夜も君を手放せない～

それに、悪事を働く奴らは放っておけない。
通話を終わらせてスマホをポケットにしまうと、梨乃がキッチンに現れた。
「あー、やっぱり。今日も朝食作らなくてごめんなさい」
俺が作った朝食を見て、土下座しそうな勢いで謝る。
彼女はピンクのカットソーに紺のフレアスカートを着ていた。
「別に絶対に作らなきゃいけないわけじゃないんだから、そう気負うな」
優しくなだめるも、彼女は大騒ぎする。
「でも、それじゃあただの居候じゃないですか」
「居候の何が問題なんだ？そんなことより、会社に出るつもりか？」
梨乃の服に目を向けると、彼女は当然のように返した。
「はい、そのつもりですよ。なんでそんなこと聞くんですか？」
「会社に行くの怖くないのか？それに、身体は大丈夫か？」
「ちょっと怖いかもしれませんが、今日行かないとずっと行けなくなりそうで。それに仕事してた方が何も考えなくていいです。身体は……その……大丈夫です」