極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
俺の言葉を聞いて困惑した顔をする彼女。
この反応はちょっと面白くない。
「何がマズいんだ?」
説明を求めると、彼女は狼狽えながら答えた。
「だって……社内一のモテ男と一緒に出勤してるのを誰かに見られたら、大変なことになります!」
彼女に少し青ざめた顔で力説されるが、イマイチ理解できない。
「大変なことって?」
聞き返したら、彼女は苛立たしげに語気を強めた。
「だから、優と私が付き合ってるって社内中に広まります!」
「それの何が大変なのかわからない」
率直な意見を言ったら、彼女に呆れられた。
「前にも言いましたが、優はすっごくモテるんです。その優と私が一緒に出勤したら、優を好きな女の子たちに恨まれるんです」
「俺は誰からも告られていないが」
真顔で返す俺を見て、彼女は盛大な溜め息をついた。
「管理職の優にそう気軽に告れませんよ」
「だったら、梨乃はその俺とどうして寝た?」
自分でも意地悪だと思いつつもその質問を投げると梨乃は言葉に詰まった。
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