極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
だが、梨乃に俺と結婚しろと煩く言わないといいのだが……。
母は娘も欲しいが孫も欲しいのだ。
これ以上返信するときりがないので、もうメッセージは送らなかった。
うちの父親にも母を暴走させないようにとLINEを送ろうとしたら、秘書室の朝井が現れた。
「おはよう。まだ滝川くんは来ていないのね」
完璧スマイルで笑みを浮かべる彼女。
「あいつもいろいろ忙しいんだろう。昨日の夜は俺が動けなかったからいろいろと奔走してくれたみたいだ」
「滝川くんから聞いたけど、藤原さん、大丈夫なの?」
「ああ。今のところ大丈夫そうだ。後からまたショックが来ることもあるだろうし、注意して見ておくよ」
俺の返答を聞いて朝井が面白そうに目を光らせる。
「なんだか。自分のものみたいな発言ね」
「大事な部下だから当然」
表情を変えずに言うが、彼女はここぞとばかりに俺を冷やかした。
「あー、澄まし顔で答えちゃって。中学からの付き合いよ。溺愛してるのわかるわ。他人にはわからなくても顔がデレデレしてるもの」

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