極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「後でちゃんと誤解は解く。だが、今は役員会議が迫っている。専務の進退も関わってくるからお前たちと話を合わせておきたい」
梨乃は責任感が強いから、すぐに仕事を放り出して会社を飛び出すことはないだろう。
まだ時間はある。
ちゃんと話せばわかってくれるはず。
そう思っていたのだが、役員会議で専務がなかなか自分の悪事を素直に認めず、会議は紛糾。
休憩時間に梨乃を見かけて声をかけたが、『すみません、ちょっと急ぎますので』と逃げられた。
追いたかったが、タイミングの悪いことに社長に呼ばれた。
会議が無事に終わったのは夕方の六時すぎ。
梨乃を捕まえようと海外企画室に戻るも、もう梨乃はいなかった。
【梨乃、話したいことがある。連絡をくれ】
LINEでメッセージを送ったが、既読はついても返事はなかった。
< 204 / 243 >

この作品をシェア

pagetop