極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
12、私の幸せ
「藤原さん、昨日のこと滝川さんから聞いたんですけど大丈夫ですか?」
優と一緒に出勤して自席でメールのチェックをしていたら、朝井くんがやってきた。
「うん。大丈夫」
にっこり微笑むと、今は空席の課長の席にチラッと目をやった。
大丈夫。
優も滝川さんも朝井くんも私を気遣ってくれる。
まだ昨日のことを思い出すと怖いけど、滝川さんの話では課長はもうここには来ないって言っていたし、顔を見なければ動揺はしない。
もうすでに課長の事件を知っている社員はいるようだけど、襲われたのが私という噂は流れてこない。
優たちは事件のことを上に報告するも、私のことは伏せてくれたのかもしれない。
いろいろ変に騒ぎ立てる人もいるだろう。
今朝エレベーターを優と降りた時、栗田さんに出くわして何も言葉が出なかった。
彼女の視線を感じたけど、優と一緒のエレベーターに乗っているのを見てどう思ったかな?
ああ〜、もう考えないの!
周りの反応を気にするのは私の悪い癖だ。
< 205 / 243 >

この作品をシェア

pagetop