極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
ぶんぶん首を横に振ったら、朝井くんが自席に座りながら心配そうに私を見た。
「藤原さん、やっぱり今日は家で休んでた方がよくないですか?急ぎの仕事があれば僕やっておきますよ」
「あっ、平気だから。ありがとね」
ハハッと笑って礼を言うと、また仕事に取り掛かった。
だが、優と滝川さんが席にいないのが気になる。
多分緊急役員会議でもあるのかもしれない。
課長の処遇が気になるけど、なるべく考えないようにしなきゃ。
仕事に集中していたが、三年前の資料が見たくて席を立って資料室に向かう。
社員証をドアの横の機械にかざしてドアを開けたら優と朝井さんが抱き合っているのが見えて、慌ててドアを閉めた。
頭の中は真っ白。
何か悪い夢でも見ているのだろうか。
もう一度ドアを開けて確認する勇気はなかった。
優と朝井さん。
あのふたり……そういう仲だったの?
同級生で会社も同じで……接点は多い。
それに美男美女。
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