極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
13、一生大事にします
「今日は帰るの九時すぎくらいになると思う。お腹空いたら先に食べてていいよ」
会社の地下の駐車場に車を停め、優がシートベルトを外しながら私に目を向ける。
「そのくらい待ちますよ」
今日はクリスマスイブ。
でも、普通に会社があるから日中は通常モードで、夜に彼のマンションでふたりだけのイブを過ごす予定。
優との初めてのイブだし、どうか彼の帰りが遅くなりませんように。
専務はうちの会社の機密データを他社に流していたということで解任され、佐藤課長も栃木にある工場に出向になった。
私と優の関係は順調で、こうして彼の車で出勤することも増えて、もうハラハラすることはない。
車を降りてエレベーターに乗ったら、社長がやって来た。
「おはようございます」
私と優が社長に挨拶すると、笑顔で返された。
「おはよう。今日は優を早く帰らせるようにするから」
社長が私を見て言うので、苦笑いした。
「私のことはお気になさらず」
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