極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
多分、今日がイブだから社長も気を遣ってくれているのだろう。
社長や会長とも何度か食事をして私たちはすっかり公認の仲。
優と出勤してエレベーターで社長に会っても、じたばたしなくなった。
女性社員の嫌がらせも覚悟していたのだけど、今のところ視線を感じる程度で実害はない。
多分、秘書室の朝井さんが私と親しくしてくれているお陰だと思う。
彼女はうちの女性社員の憧れの的だ。
それに、優は社内一の美形だけあって、遠い存在に思っている人もいると思う。
手に届かない人だから見てるだけでいいとか。
私も空き巣の事件がなければ、優と恋人にはなっていないかもしれない。
優と一緒に暮らすようになって身近な存在になったからこそ、好きになったんだと思う。
それまでは違う世界の人だって思っていたから。
海外企画部のあるフロアにエレベーターが着くと、社長に軽くお辞儀をした。
「お先に失礼します」
優も社長に声をかける。
「では社長、また後で」
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